2004年4月に日本多読学会が設立されており、小学校や中学校・高等学校で多読を取り入れている学校もあります。
ずっと歴史をさかのぼると英語教師だった夏目漱石も英語多読を勧めていたという記述もあります。(1906年 現代読書法より)
残念なことに日本の英語教育は文法訳読式という教授法が一般的であったため、スペルや語彙、文法重視の学問としての英語を学び続けてきたのです。
しかし、これからの子ども達に求められているのはコミュニケーションのための英語なのです。
という事は今までの学び方では対応できない、という事が容易に想像できますよね。
精読とはわからない単語があればひとつひとつ丁寧に調べ、使われている文法も理解すること。一方多読は7~9割理解できるものをただひたすらたくさん読むこと。同じ「読む」でも大きな違いですね。
学校ではどの教科も「精読」がメイン。子ども達は内容を理解しながら読むことに慣れています。特に英語は目で英語を読み、頭の中で日本語に訳しながら読むので、読むのにとっても時間がかかります。そして頭の中で英語と日本語の間を行ったり来たりするので、結局なにが書いてあったのか読み取ることが苦手です。精読は読解力をつけることが目的なのでそれはそれで効果があります。しかし英語で精読ばかりをしていると、インプット量が圧倒的に足りません。
多読の目的は楽しみながら大量の英語に触れることにあります。ただひたすら大量に英語を読むことで読むスピードが上がり、英語を英語のまま理解できるようになることで英語脳のスイッチが入ります。私たちは日本に住み、人とのかかわりのほとんどが日本人、という環境で生活しているので、英語脳のスイッチを入れるためには意識して英語に触れる必要があります。